CCの微妙なところ

Creative Commonsにも微妙だな、と感じてしまう所はあります。
簡単にまとめてみます。

■ライセンスの書換えが行われた場合にはどう対処するのか?
CCライセンスは、例えば、blog上やHP上に表示されることで確認ができます。このblogはBY-NC。非営利目的、例えば個人のblogに使用される場合には、私の氏名表示をすることで2次使用可能です。

しかし、もし私がある日気ままにライセンスの変更を行った場合にはどうなるでしょうか?


例えば、BY-NC-SA。Share Alikeが付与された場合、2次利用をした作品は私と同じライセンスを使用しなければなりません。

問題は、2次創作を制作した後に、ライセンスの確認をしたところ、ライセンスが厳しいものに変更されていた場合です。
原著作者に「現在のライセンスが正しい」と言われてしまった場合には、2次創作者はどうすれば良いのでしょうか?

CCライセンスが著作物の2次創作、利用を目的としていると考えれば、2次創作者が原著作者の意思表示を確認した時期によって対応が変わることになるでしょう?

しかし、実際にライセンスの変更がなされた場合に、2次創作者は原著作者に対して抗弁できるでしょうか?何らかの形でログを残しておかなければ難しいです。例えば、キャプチャして保存しておくとか。

最も良い方法は、制作されたデータ内に直接CCライセンスのデータを埋め込めば確認が可能だと思われますが、多種多様なフォーマト、媒体の種類を考えると現実的ではありません。
また、DBを構築して登録してもらうのも手段ですが、管理コストの問題と実際の運用がライセンサーによって行われるかは分かりません。

結局のところ、CCライセンスを付与するライセンサーの善意に任せるしかないのでしょう。

そもそも悪意があればライセンスを無視することも可能な訳で。

■保障の問題はどうなるのか?
CCライセンスのBYを付与された音楽作品で考えてみます。

この音楽作品を複数集めてCDの制作を行ったとします。見込まれるコストは、マスタリング費用、スタンパー、パッケージ…etcとなります。このコストは発売する人間にもちろん掛かってきます。その代わりに販売した収益も得ることができるでしょう。

問題は、このCDの中の1曲に、著作権の問題が起こった場合です。
All Rights Reservedの楽曲が使用されていて、製作者が権利者から公開の中止を求められた場合に、CDを発売した人の立場はどうなるでしょうか?

著作権侵害に伴う損害賠償や使用料に関して、製作者に費用の負担を求められるでしょうか?

著作権の契約で重要になる「保証条項」では、権利者(この場合には、製作者)がこの作品の権利を有していることを保証する必要があります。
もし、権利の侵害が発覚した場合には製作者が損害を負担することになります。

上記のケースの場合、CDを発売した人はCDを販売するまでのコストを負担しています。もし発売停止&回収になった場合、製作者に損害賠償の請求は可能なのでしょうか?

CCライセンスは「保証条項」まで包括的に表示をしていると考えていいのか、ここが肝です。

ビジネスとして、CCライセンス作品を使用する場合に、クリエイターはここまでのことを考える必要が出てきてしまうことになります。

CCライセンスの最も良い所は、分かり易い表示です。
複雑な法律論議や契約書の締結を考えなくてすむ。これは大きなメリットです。
同時にデメリットもある訳です。曖昧な部分が出てしまうのは仕方がない事かもしれませんが、ビジネスとして運用する際に問題が出てきてしまうのは残念です。

もちろん、この部分も信義則で・・・と言われればそれまでですが。

CCライセンスは、そもそもが「ネットワーク上での著作物の流通を円滑化するもの」だと考えれば、ビジネス前提で考えるのは誤りかもしれません。
しかし、実際にビジネスとして成功するケースが出てくれば、よりネットワーク社会の中でCreative Commonsとライセンスを付与された作品が面白い立場になれると考えています。

このようなことを書くと「病的なほど考える必要はないのでは?」と言われてしまうこともありますが、そこまで考えなければリスクを回避しなければならないことも事実です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。