「知的財産推進計画2008」に目を通してみた

知的財産推進計画2008(速報版)が発表されてたので、サクッと目を通してみる。

特に気になるのはP.94の(3)スピーディーな権利処理を実現するための環境を整備する

③音楽のネット配信に対応した権利処理を改善する
 音楽のネット配信市場の拡大に伴い急激に増加した権利処理手続が効率的に行われるよう、楽曲コードの付与作業や照会作業等に必要な作業を集中的に処理する第三者機関が2008年中に設立するよう支援する。

とても気になる内容ですね。どのような組織になるのか?そして、2008年度中に設立できるのか?
J-CIS構想の何度目かの煎じ直しのような気がしてならない。統一したフォーマットでのデータベース構築、連携処理。

データベースにしてしまえば、問題はどうにか解決するかも知れない。しかし、データベースの取扱は非常に面倒が多い。権利が絡む分より複雑になってしまう。

  1. 入力されるデータは正しいか
  2. 入力したデータは正しいか
  3. 権利者が変わった場合にはどう対応するのか

権利が移転した場合には頭が痛い。
例えば、「音楽著作権」でやり玉に挙げられるJASRACで管理されている楽曲に関しては、JASRACの使用料規定で定められた使用料を支払えば済む。
2002年以前の管理事業者がJASRACだけだった当時なら、権利者が移転してもJASRAC内部で処理されることなので、使用者はJASRACにいつも通りの報告&支払作業をすれば良かった。

2002年4月以降、「仲介業務法」の廃止と「著作権等管理事業法」の施行によって現在の姿になった。
イー・ライセンス、ジャパン・ライツ・クリアランス、ダイキサウンド、そしてJASRAC。

JASRAC以外の著作権管理団体が登場したことは、権利者側には多くのオプションを含めて選択肢が増えた。しかし、権利者の移転時に面倒が生じることとなっている。

例えば、2007年3月末日までJASRACで著作権を管理されていたものが、2007年4月からイー・ライセンスへ移行するような場合。
移行状況を確認する必要がある。報告も支払先も変わってくる。

音楽配信は、通常多くの楽曲を同時に配信している。取扱楽曲が多くなればなるほど、楽曲の管理状況を確認する必要がある。ここに大きなコストがある。移転した楽曲を各社データベースから確認、各社専用のIDを報告に纏め上げなければならない。

結局、J-CIS構想の実現の遅れが想像以上にビジネス上の負荷となっている。
本当に実現できるのだろうか?

最大の問題は、既存の著作権の発生している楽曲にまた新たに専用のIDの付加、または各社データベースのリレーションを組むのは相当の難題だと思う。

もちろん、人件費も含めて。

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